プロが教える溶接DIY講座⑧ ~溶接前の材料加工でレベルアップを目指す~

プロが教える溶接DIY講座、8回目の今回は溶接前の材料加工です。イメージ通りの作品を仕上げるためには、溶接前に材料に合った適切な加工を施すことが大切です。材料の曲げ加工、開先加工などについて学んでいきましょう。

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溶接における材料加工とは

材料加工とは、切断、曲げ、開先加工など、溶接作業に入る前の加工を言います。この加工がしっかりできているかどうかで、溶接の強度や仕上がりが変わってきます。

切断加工

材料加工の最初のステップは「切断」ですが、重要なのは「寸法」と「角度」です。寸法通りにまっすぐ切れているか、正確に角度は出ているかをしっかりチェックしましょう。ポイントは、寸法通りに正確にケガくこと、材料ごとに切断に適した工具を用いることです。
また市販の鉄材には、赤茶色の錆止め塗装や防錆油が塗布されています。接合部の塗装や油は通電の妨げになることがありますので、溶接前にグラインダーなどで削るか、ウェスで拭き取るなどして除去しておきましょう。また、錆や切断時のバリもグラインダーなどで削っておくと作業性や仕上がりがよくなります。

切断については、本講座の4回目で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
プロが教える溶接DIY講座④ ~ 溶接レベルアップのカギは材料の切断にあり!

曲げ加工

次に材料の曲げ加工です。家具の取手やテーブル・チェアの脚などに、曲線を活かしたデザインを取り入れる場合にはこの加工が必須となります。

棒材の曲げ加工

棒材を曲げる方法として、ガスバーナーで熱して曲げる方法がありますが、アセチレンガス等を使った作業は危険が伴いDIY向けではありませんので、ここでは簡単な工具でもできるテコを利用した曲げ加工を紹介します。

棒材を万力に固定して、パイプを差し込みテコの原理でゆっくり曲げていきます。

この時に、万力に固定された部分とパイプの間に隙間(約10~20mm)を空けるのがコツで、隙間を広くするほど曲げのカーブ(R)が大きくなります。取手などコの字型に曲げる場合には、左右のRが揃うように、隙間の幅を固定する「治具(じぐ)」を作っておくと便利です。


丸棒を曲げ加工したハンドル


棒曲げ治具

パイプ材の曲げ加工

パイプ材の曲げ加工には、パイプベンダーとよばれる工具を使用しますが、きれいに曲げるにはしっかりした(機械的で高価な)ベンダーを使う必要があります。手動で安価なタイプもありますが、かなり力が必要な上、器具自体をしっかり固定する必要があります。


手動パイプベンダー

パイプベンダーを使わなくても、細い(薄い)パイプなら手で曲げることができますが、やはりきれいに曲げるのは難しく、潰れてしまうリスクもあります。
そこで、パイプ材を使用する時は無理に曲げるのではなく、細かく角度をつけて切ったパイプを溶接でつなげて使う方法もあります。液体や気体の配管は厳しいですが、カットと溶接ができれば制作可能です。

板材の曲げ加工

最後に板材の曲げ加工です。板材でも幅の狭いフラットバーなら①のテコを使った方法で曲げることができます。ここでも材料の幅に合ったパイプ状の治具を作っておくと便利です。


フラットバーの曲げ治具


フラットバーを曲げ加工したハンドル

また正確な円に加工したい場合はロールベンダー、幅広の板材を曲げる場合には油圧ジャッキベンダーという工具を使います。


ロールベンダー


油圧ジャッキベンダー

開先加工

開先加工とは、母材の縁部を適当な形状に加工することを言います。開先加工の主な目的は、溶接時の溶け込みを深くすることによる強度アップです。また、溶接後の研磨作業が少なく済み、フラットに仕上げられるメリットもあります。
また100Vで溶接できるのは厚さ3mmくらいまでですが、開先加工することによって、厚さ4.5~6mmくらいの材料まで溶接可能になります。

板材同士の開先加工

厚みのある板材(4.5~6mm程度)同士を溶接する場合は、下図のように、直角にカットした材料の縁部をグラインダーで斜めに削ります。

板材と棒材の開先加工

板材に棒材を溶接する場合には、下図のように棒材の角を落とし鉛筆状に加工します。

こうした加工を施すことで、凹んだ部分に溶接棒やワイヤーなどの溶加材が深く溶け込み強度が上がるとともに、研磨によりフラットに仕上げることができるわけです。

溶接後の仕上げ作業

溶接前の材料加工とともに、溶接後の仕上げ作業についても知っておきましょう。

スラグ・スパッタの除去と磨き

溶接後には、接合部分にスラグ(フラックスのカス)とスパッタ(溶けて固まったつぶつぶの金属)が付着しています。これをチッピングハンマーで叩いて除去します。

その後にワイヤブラシやグラインダーで磨いて仕上げます


グラインダーによる研磨仕上げ

塗装

溶接DIYでは、錆もエイジングとして楽しむことができますが、屋外で使用する場合など錆を防ぎたい場合には塗装をおすすめします。
塗装面の油分や汚れを除去した上で、ラッカースプレーなどを使って塗装するとよいでしょう。プライマーや錆止めの下地を塗るとより耐久性が上がります。

SUZUKIDおすすめの工具・ツール

バンドソー EDGE HOPPER(エッジホッパー)EH-01

【特徴】
トリガースイッチを押しながら、トリガーロックをかけることで自重切断が可能
0°から60°までの角度で材料を切断ができる
コンターテーブル(別売)を使えば、切り抜きや、曲線の切断も可能

プラズマ切断機 エスパーダ15 FORTE(フォルテ) APC-15S

【特徴】
電源100V 15A(コンセント)使用の場合、軟鋼3.0㎜まで良好切断
効率的な作業を実現する”PFC機能”、スタート楽々な”パイロットアーク”を採用
トリガにはカバーを付けた”安全トーチ”を採用
わずか8.3kgの軽量ボディ

溶接用カストリハンマー WELD PECKER(P-820)

【特徴】
くちばしのように尖った刃先でチッピングハンマーとしてスラグの剥離が可能
平たい刃先でスクレーパーとしてスパッタやノロの除去が可能
持ち手部分には握り心地のよい木(ウォールナット)を採用
収納や持ち運びに便利な吊り下げ穴

スパッタ付着防止剤 スパブロック(エアゾールタイプ)


軟綱・ステンレス・高張力鋼のスパッタ付着防止に

ハンマー&ワイヤブラシ(P-74)


ハンマーとワイヤブラシが一体になった便利なツール。

記事監修

SUZUKID(スター電器製造株式会社)

SUZUKIDは創業60年を迎える小型溶接機のパイオニア。溶接機の販売だけでなく、直営ショップ「Fe★NEEDS(フェニーズ)」で溶接ワークショップも開催していますので、初心者の方でも安心して購入できます。
SUZUKID公式サイト https://suzukid.co.jp/

Fe★NEEDS(フェニーズ)オンラインショップ

https://www.rakuten.co.jp/feneeds-welderspoint/

溶接機や溶接グッズの購入に関するご相談

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