プロが教える溶接DIY講座② ~ 初心者が大切にすべき溶接・モノづくりのポイント。練習方法や材料の選び方を解説

前回に引き続きお送りする「プロが教える溶接DIY講座」。第2回目の今回は、初心者が大切にすべき溶接・モノづくりのポイントと題して、最初にマスターしたいテクニック、材料の選び方などについて解説します。(記事監修:SUZUKID)

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溶接DIYをマスターするための3ステップ

初めての溶接DIY。早くうまくなりたい!とはやる気持ちを抑えて、まずは落ち着いて基本的な練習を進めてみましょう。3つのステップをご紹介します。

ステップ1:環境や道具を整える

溶接DIYをマスターするには、まず環境を整えることが大切です。前回の記事でご紹介したように、安全に作業ができる場所と電源を確保し、火傷やケガを防ぐための服装も整えましょう。材料をしっかり固定できる作業台や道具なども上達の近道です。

前回記事:プロが教える溶接DIY講座① ~ 安全・便利な溶接DIY環境のつくり方

ステップ2:最初にマスターしたい基本テクニック「点付け」

溶接DIYで最初にマスターしたいテクニックが「点付け」です。
基本的な溶接の手順は、材料の仮止め→本溶接の順になります。仮止めは、その名の通り溶接する材料(母材)の位置や角度を決める作業となり、簡易的に溶接し全体の構造を確認する作業です。例えば四角いフレームを作成する場合には、仮止めで四角を制作して全体の歪みが発生していないかなどを確認してから、本溶接で留めていきます。

「点付け」は、この仮止めで使うことが多いのですが、仮止め以外でも活用できる溶接の基本テクニックで、材料全体を溶接するのではなく、一部を点状に溶接することを指します。点状での溶接は溶接による加熱も軽減されるため、材料の歪みを軽減することができるので、歪みやすい薄板を溶接する際にも有効です。

ステップ3:点付けができたら「ビードを引ける」ようになろう

点付けができるようになったら、次は線上に溶接する(ビードを引く)練習をしましょう。
ビードとは溶接時に金属が溶けて線状に盛り上がった部分のことを言います。このビードをまっすぐに同じ幅で長く引けるようになることを目標に練習を進めましょう。最初は短い距離(2~3センチ)から始めて、徐々に距離を伸ばしていくとよいと思います。
製作物によっては点付けよりもしっかりと溶接したいケースや、ビードで隙間を埋める必要がある場合があるので、上手にビードが引けるようになっておくと、製作物の幅が広がります。

DIYで溶接できる素材と材料の選び方

点付けやビードを引くなどの基本練習ができたら、いよいよ作品づくりにチャレンジしてみましょう。初心者でも扱いやすい素材や材料の選び方、加工方法などを解説します。

①溶接DIYに適した素材

まずは、入手しやすく価格も手ごろ、更に加工がしやすい鉄(軟鋼)の溶接をおすすめします。ステンレスは鉄(軟鋼)よりも固いため、切断や加工の難易度が少し高まります。軟鋼の溶接・加工に慣れてからステンレスに進むのが適切かと思います。一方、アルミの溶接には特殊な設備やガスを取り扱う必要があるので、DIYとしてはかなりハードルが高くなります。

②素材の形状と使用する場所

製作する物、使用する場所にあわせて、最適な形状の材料を選択しましょう。

【棒状の材料】

『丸鋼/角鋼』・・・細いもの(直径10mm程度まで)であれば、万力などでしっかり固定すると熱を加えずに曲げることができますので、ハンドルやフックなどのパーツ作成に適しています。角棒はひねることで風合いある材料を作ることも可能です。

『丸パイプ/角パイプ』・・・テーブルの脚など、軽量に作成したい場合には、中空であるパイプ材を使用するとよいと思います。中空でも強度があるので幅広く使用できます。肉厚が3mm以下であれば、100V溶接でも問題ありません。

『アングル』・・・フレーム製作や、強度を強くしたい場合などに使用します。 

【板状の素材】
『平鋼』・・・フラットバーとも呼ばれる板状の材料で、巾と厚みの組み合わせで様々な大きさが選べます。厚みも3mmから入手できるので、100V溶接でも問題ありません。曲げ加工もしやすい材料です。

製作したい物と、それに適した材料選びができるようになれば、高価な材料を買ってしまったりして無駄なコストがかかることを防ぐことができます。

③材料の切断方法

溶接材料を切断するにはいくつかの方法があります。それぞれのメリット・デメリットなどを見てみましょう。

【バンドソー】
バンドソーは、帯(バンド)状のノコ刃(ソー)を回転させ、金属や木材などを切断する工具です。特徴としては、切断時に火花が出ない、角度調整した正確な切断が可能、切断面が垂直できれい、などが挙げられますが、価格はやや高めになります。


SUZUKIDのバンドソー『エッジホッパー』

【グラインダー・高速切断機】
グラインダー、高速切断機は、ともに砥石を回転させることで切断や研磨をおこなうための工具です。グラインダーは手持ちで、高速切断機は卓上に固定して使用しますが、どちらも切断時には火花が出ます。またグラインダーは自分の手で握り切断するため誤差が出やすいというデメリットがありますが、価格は比較的安めです。

【ホームセンター】
ホームセンターなどで材料を購入した場合には、切断してもらえることもあります。ほとんどが有料ですが、こうしたサービスを利用してみるのもよいと思います。
(すべてのホームセンターで対応しているわけではありません)

溶接DIY初心者が挑戦してみたい作品を紹介

基本的な作業ができるようになったら、いよいよ作品づくりに挑戦してみましょう。楽しみながら溶接の練習もできるおすすめ作品をご紹介します。

初めてつくるものは、平面的な作品から製作していくと、無理なく溶接に慣れることができると思います。例えば「棚受け」「取手」「柵」「サインプレート」などであれば、作業台に材料を並べて溶接で組んでいくため、精度の狂いは少なく溶接もしやすいです。


丸鋼と切り抜き文字を点付けして作ったネームプレート(ウッドを使った事例はこちら


丸鋼(鉄筋)とウッドで製作したシェルフ(詳しいつくり方はこちら


平鋼と角鋼を組み合わせて製作したアイアン棚受け。角鋼は直線的なデザインでもつくれます。


平鋼と丸鋼を溶接して作ったアンティーク調の取手

初心者が大切にすべき溶接DIY・モノづくりのポイント

最後に溶接DIY初心者が大切にしたいポイントについてまとめます。

①作業環境を整えよう

火花が出るため、燃えやすいものは周りに置かないこと。また溶接ヒュームが出るため、換気のよい場所で行うようにしましょう。

②火傷・ケガに注意

第一に服装です。前掛けや手袋をきちんと身につけ、ズボンや靴は地肌が出ないものを履くようにしましょう。溶接時や直後の材料は高温のため、素手では触らないようにしましょう。また切断や研磨の際は、きちんと保護めがねを着用し、安全第一で作業しましょう。

③モノ作りはトライ&エラー。気長に過程を楽しもう!

作り方にこうでなきゃいけないというルールはありません。ゴールを目指して過程を楽しみましょう。溶接は失敗を繰り返しながら覚えていくものなので、気を長くして挑戦してみてください。溶接の技術や材料の種類など知識が増していけば、モノ作りに対する意識や価値観が変わってくるはず。飽きることが無い究極の遊びです。

記事監修

SUZUKID(スター電器製造株式会社)

SUZUKIDは創業60年を迎える小型溶接機のパイオニア。
溶接機の販売だけでなく、直営ショップ「Fe★Needs(フェニーズ)」で溶接ワークショップも開催していますので、初心者の方でも安心して購入できます。

SUZUKID公式サイト https://suzukid.co.jp/

Fe★Needs(フェニーズ)オンラインショップ

https://www.rakuten.co.jp/feneeds-welderspoint/

溶接機や溶接グッズの購入に関するご相談

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